WEEKLY REPORT
第631号  No.35  2006年4月24日
超我の奉仕

前例会の記録
本日のプログラム
次例会の予定
○4月17日(月)第630回
○ソング:それでこそロータリー
○行事:外部卓話
(担当 S.A.A)
○4月24日(月)第631回
○ソング:手に手つないで
○行事:地区協議会報告
(担当 会長・幹事)
○5月14日(月)第632回
○ソング:君が代・奉仕の理想
○行事:新緑例会
(担当 出席・親睦委員会)

会長挨拶 早瀬正英会長
 どうも皆さん、いらっしゃいませ。本日のお客様をご紹介します。岐阜県顧問社団法人岐阜県観光連盟会長奥村和彦様です。どうもありがとうございました。お客様のご紹介については、卓話の前に柳原会員からお話されます。本日はどうもありがとうございます。
 桜がそろそろ終りかけです。先週はずっと雨だったんですが、晴れて風がでた途端に花粉症で目が痛くなりました。今花粉症で医療機関も患者さんがどんどん増えています。特に黄砂もありますので皆さんいろいろと大変です。私も花粉症で、季節は良いんですが大変です。
 それと招待券が2枚来ています。これは御園座で今年10月に中村鴈治郎が4代目坂田藤十郎の襲名するので、ロータリーでいらっしゃいませんかということです。4月21日今週の金曜日に陽春大歌舞伎があり、会長・幹事が預かっています。どなたか行きたいと思われる方はおっしゃってください。4月21日午後4時からで2枚来ておりますので、よろしくお願いします。今日は皆さんから是非ということでお願いしまして奥村様に外部卓話をしていただけるので、ありがたいと思います。今日は楽しみにしております。よろしくお願いします。

来客紹介 出席報告
社団法人岐阜県観光連盟会長 奥村和彦様
本日のホームクラブ 先々週の補正出席率
  14/27   51.85%   23/27   85.18%

ニコBOX (高橋陽一委員長)
◇早瀬正英会長
 奥村様、本日卓話ありがとうございます。
◇寺田 稔君
 先週例会を欠席させて頂き、1泊2日で中津川、恵那峡と妻とテニス旅行に行って来ました。どこへ行っても桜の花が私達を暖かく迎えてくれました。大変気分がよかったので・・・投函します。

委員会報告
◆地区協議会の案内 高橋陽一次期会長
 来週、次期の地区協議会がこのグランドホテルで行われます。出席義務者の方11:00集合ということですので、よろしくお願いします。

外部卓話(担当:S.A.A.)
◆柳原英三委員長
 本年度S.A.A.で去年の12月と今年の4月と2回卓話をする予定で、去年の12月は私のパリの電車の話をさせていただきました。また同じ話をするわけにも参りませんので、今日は内容を少し変えさせていただいて外部卓話ということになりました。今日卓話をお願いする奥村和彦さんという方は、現在岐阜県観光連盟会長でいらっしゃいます。私と同じ歳で学校で私と机を並べていたお友達です。各務原市にずっとお住まいで、大学を卒業すると同時に岐阜県職員になられました。それから岐阜県職員を40年以上勤められまして、その間に中小企業への融資や岐阜県の各地方の仕事とか、ほとんど岐阜県内の全ての仕事を経験されて、梶原知事の時に県職員としては最高位の副知事になられました。戦後何十年という間で副知事という仕事は、県職員の中からなられたのは奥村さんでまだ2人目だということです。殆どは国の総務省などからお見えになるそうです。我々とはまた違ったお話をお聞きできるかなと思い、今日はお願いしました。
◆『岐阜県について』 社団法人岐阜県観光連盟会長 奥村和彦様
 ただいまご紹介頂きました奥村でございます。お話しいただいたように、大学を卒業してから公務員という仕事をずっとやらせていただきました。公務員の仕事の生きがいは、今日、明日を考えるのではなく、住民の皆さんのためという形に繋がっていくことですね。結果としてこんな橋が出来、道路が出来て皆さんに利用していただいて喜んでもらえると「ああ、良かった。」という嬉しさと、ある意味満足感も味あわせてもらえることです。
 皆さんは異業種の方ばかりですので、今日はどんな話をしていいのか良く分からなかったんですけれども、皆さんの手元に「ドロシー・ロー・ノルト」という詩人が書いた「こども」という詩をお配りさせていただきました。読んだことがある方もいるかもしれませんが、非常にいいことが書いてあるんです。我々もこれを見ながら反省しなくてはいけないなという部分があるんじゃないかなと思います。本当に非常にいい本ですので、是非皆さんもこれを読んでいただいて少しでも子どものためになるように考えていただきたいと思います。先程も申し上げたように異業種の方ばかりだということで、とっかかりにこの詩を配らさせていただきました。今、新聞を賑わしております教育基本法というものがあります。この法律が改正して子どもたちに愛国心を持ってもらうために、国を愛する心みたいなものを教育基本法の中に謳っていきたい。それに対して賛否両論があり新聞を賑わせているということで、皆さんもお読みになったかと思います。ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、昔教育勅語というものがありました。愛国心とか国を愛する心、伝統文化を愛する心みたいなものをこの教育勅語の中で謳っていました。教育基本法は昭和22年に施行されました。教育基本法ができたときには、まだこの教育勅語がいきていたので、教育基本法の中には愛国心などは謳っていなかったんです。しかし昭和26年に教育勅語が廃止になってしまったので、愛国心と伝統文化を愛する心とかそういうものが消えたままずっと、戦後今の時代まできてしまったわけです。そして今一生懸命やっているのが、教育基本法の改正というわけです。ただこの教育基本法の改正の中で、我々が個人的に思うことですが、教育基本法とそれを実際に国民の皆さんにやっていただく中身とその部分がきちんと議論されているとこういうものが生きてくるわけですが、残念ながら議論されていなくてただ国を愛する心、日本の伝統を愛する心、大切にする心、これだけを基本法の中に謳おうということの議論が非常に多いです。それで皆様方が「戦前のあんな状態に戻る可能性があるんじゃないか。」とか「学校の教育の中でこういうものがどんどん中心になって教育を進めることによって、ある意味強制的な教育になってくるんじゃないか。」ということが出てきて何か納得できないということがあるわけです。それも可能性がないわけではないけれど、我々が一番大事にしなくてはいけないのは、子ども達がどんな大人になって我々の世代を受け継いでくれるかと。一番大きな関心事になってくるはずなんですけど、残念ながらなかなかそこまでゆとりのある生活ができていないというのが現状だと思います。例えば、明治時代以降ずっと日本が追いつけ追い越せで一生懸命やっている状況の中で、外国から当然たくさんの方々がお見えになる。追いつけ追い越せで一生懸命やっている日本人のその姿を見ながらその時に外国の方が日本に対して一番印象強く感じたことは、優しさ・謙虚さ・心のゆとり。今も皆さん人のために一生懸命やっていらっしゃる。その中で日本人はそういう特色を持ちながら社会を形成してきた。そういうことを考えると何かが今欠けているんじゃないかという気がするんです。もう一つの日本の特色は当時の日本の子ども達を見て、みんな笑顔でニコニコしていて、日本中に子どもの笑顔が溢れているということを印象として持っています。それを考えると今どうしてこんな状態にになってしまったんだろうと。私たちが子ども達を育てる中で考えていく必要があるんじゃないかなと、最近強く思うようになってます。ご承知のように今の子ども達は、例えば柳ヶ瀬辺りや駅前辺りに行っても自分たちの仲間だけとはワイワイやっていますが、他人のことはまったく無視をしている。顔を見ても挨拶もしない。笑顔が消えているという状況です。昔と違ってどうして笑顔が消えてしまったのか我々が反省しなければならない大事なことだと思っています。
 教育というのはこの詩の中にも書いてありますが、欠点を直すということは絶対に良くないことです。欠点を直して同じような人間をたくさん作ってしまったって社会は上手くいくわけがない。金太郎飴の子ども達ができたって将来的に安心して日本の社会を任せられるかというと、金太郎飴ではどうしようもない。やはり教育の基本点は良い所を見つけて伸ばしていく。これが当たり前で皆さんも思っていることではないかと思います。社会の中でこういう状態になってきた大きな原因とはなんだろうと色々な意味で考えている方もたくさんお見えになります。一つは社会経済の一つの流れが根底にあり、その流れの中で子どもたちの状態も変わってきていると言えるんじゃないかなと思います。例えば当時の明治時代はまだまだ工業まではいかなくて、農業の社会が中心だったわけです。当然自然との共生の中で人間というのは一生懸命働き、ある意味自然にまかせるということで心のゆとりもあるでしょうし、優しさも、思いやりも出てくるだろうということが言えるかもしれません。そしてそこ軽工業の社会に移ってくるわけです。軽工業の社会というと衣・食・住に関する物を作る社会。そして軽工業から重工業に移って自動車や家電製品などを作るようになってきた。人間の手足になる道具。ところがその道具となるものが自分たちの体から離れて独立のメカニズムを持って動くようになってきている。今の社会は知識社会が中心で頭脳社会、情報化の中で子供達に何が必要かというと、やはり教育というものをきちんとする。知識を十分に蓄えられ勉強できるような、また技術的な面の能力も開発できるような、そして教育の部分が非常に重要になってくる。それが人作りにつながってくる。大事なのはやはり人作りだろうと思います。軽工業から重工業へと自然を痛めつけながら人間は社会を発展させてきたわけですから、そういう中で心のゆとりとか優しさとか知らないうちに失い始めてきている。昔日本人の特色と言われていた優しさとか心のゆとりが、我々も含めて子ども達になくなってきてしまった。これからは頭脳社会ですから子ども達を育てていく上で一番大事なのは教育だろうと思います。
 色々な話が出てきましたが、改革という事で今いろいろなことを進めています。構造改革だとか行政改革だとか民営化だとか。構造改革の一番の恐ろしさは、痛みが一番弱いところに行ってしまうことなんです。弱いところへ痛みが行くような改革が現在進められているんですね。勝った人、勝組に入っている人の評価は知恵を出して努力をして、だから勝組なんだと。負組の人はどうかというと本当に知恵も出さないし、頭も使わないし努力もしなかった、こういう方が負組だよと。こういう評価が知らないうちになっていく、そこが社会の恐さです。やはり弱い人が復活できるようなシステムを作っていく。みんなが痛みを分かち合っていくという社会構築ができるような改革をしないと、勝組・負組というような明確なものがでてくる。それが子ども達に将来に対する希望を持てなくしていると言えると思います。改革というものが人間社会、日本社会、日本人にとって心の安らぎにつながるような改革になるのかという事をしっかりやっていかなきゃならない部分と思います。そして先程お話した規制緩和。規制緩和というのは社会にとってプラスになるのかどうか。「消費者のため」という一つの言葉だけで、そういう規制緩和が公然とまかり通っていっている。本当に地域社会を大事にしていこう、自分の住んでいる町を大事にしていこうと話になると、その町の中に我々が生きていく上で歳をとって動けなくなった時でも来てくれるようなお医者さんがいる、八百屋さんがある、魚屋さんがある、いろいろな物がある中で我々は育ってきているんです。それが規制が外されることによって郊外に大型の安い店ができ、町の中の小さな店はどんどん潰れていく。そこで我々が歳をとって生活するようになった時に、本当に郊外のお店まで買いに行けるか?大変な生活になってしまうんじゃないかと思います。少しでも自分の住む町その中で生きていけるような社会にしていくために、本当に規制緩和でいいのか?と感じます。そして規制強化という話が一つあるんですが、例えば大きないろいろな意味での技術の革新につながっているんです。それは色々な規制があってその中で技術を革新させて、結果として発展したきたわけなので規制が我々にとってプラスになっているものもたくさんあるわけです。自分の住んでいる地域を考える中で、本当にこれが規制緩和になった方がいいのかよく考えていく必要があると思います。例えばヨーロッパなんかはかなり規制をしていまして、大きなスーパーなどがなかなか出来にくくなっています。当然大きなところでディスカウントショップなんか行くと安いので郊外に買いに行く人もいますが、大半は町の中で少し高くても買い物をされます。そういう方たちに聞いてみると「我々の地域社会はそういうものがあって成り立っている。だから少し高くても地域の為に我々はそこで買い物をする。」とおっしゃっていました。そうした部分を我々が日本の社会を壊していくんじゃなくて、しっかりと作っていくことが大変必要になってくると思います。話が色々と飛びましたが、子ども達のために何が出来るかという事をこれからこの社会の仕組みの中で教育基本法もそういう中で見ていただきたいと思いますし、地域社会の中で子ども達をどういうふうに育てていくか、自分が住み良い町になるそれが子ども達がそこに住むという事につながりますので、皆様に考えてやっていただけたら、まさにロータリーの目指す方向が出てくるんじゃないかなと思います。独自の活動も出来るんじゃないかなと思います。ロータリークラブということで色々な話をさせていただきました。
 私は観光連盟ということをやっているんですが、今総旅行者数が3億4千万を越えています。その内国内へ行く方が3億2千240万人、海外へ行く人が1760万人。国内旅行者が圧倒的に多くて、旅行者の消費額総額が16兆3千億円。これが観光で使うお金です。その中で国内旅行で11兆2千600億円消費している。海外旅行でなんと5兆8千億円。今の1760万人の方が海外へ行っているわけですが、海外から日本に来られる方が670万人。3倍日本から出て海外から遊びに来ていただけない。ここは皆さん方是非お考えいただきたい。観光が伸びているところは地域社会を大事にして、地域として生きていけるものがあるからそういう所にどんどん集まっていくんです。日本に魅力がないといわれるのがそこで、日本らしい地域社会があるのかということが海外の方のご意見です。ぜひこれから地域作り、地域社会をどうやったら大事に出来るか。住んでよかったと思えるような町づくりをしていかなくてはいけないか。またロータリークラブの活動の中でも是非よろしくお願いします。今日は本当にありがとうございました。

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