○12月1日(月) 第528回○ソング:君が代・奉仕の理想○行事:年次総会(担当 会長・幹事)
○11月17日(月) 第527回○ソング:我等の生業○行事:外部卓話オリベ2003inNY「クラフト展・観光展」岐阜県農林商工部商工局長 長屋 栄様(担当 国際奉仕)
○12月7日(日) 第529回 ○ソング:○行事:忘年家族会(小林幸子ショー) (担当 出席・親睦)
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◎卓話者紹介:榎本国際奉仕委員長 本日は外部卓話ということで、NYからお帰りになったばかりで大変お忙しい中、岐阜県農林商工部商工局長の長屋 栄様にお越しいただきました。先般、行われましたオリベ2003inNY「クラフト展・観光展」についてなど、興味深いお話が聞けるものと楽しみにしております。よろしくお願い致します。 ◎長屋 栄様卓話 皆様こんにちは。岐阜県農林商工部商工局長の長屋でございます。 今、過疎化が進み、子供の数も減っている状況の中、閉塞感を打破するためには、思い切ったことをやっていかないといけないと思っています。都市計画におきましても長い先を見てどうしていくべきかということを考え、基盤から始めることが大切だと考えています。そのため、財政担当で土木を担当したときには、鉄道降下事業については、県として岐阜市とも調整を行ってまいりました。しかしながら、都市計画については、民間の企業の方々の先取の目、発想には感心するものがあります。ビルもどんどん建っておりますし、都市づくりが出来つつあると思っておりますので、いずれは名古屋の定住人口をこちらに持ってこれないかなと考えております。 柳ヶ瀬についてもそうですが、今は街の構造、道路一つとっても悪い事例ばかりですので、産業の振興のためリフォームしないと新しいものは生まれてきませんし、活力も生まれてこないと思います。ある雑誌に大阪でお好み焼き屋を経営している人の記事が連載されていましたが、その中で新しい取り組みと地域のものがその気にならないとだめなんだということを盛んにおっしゃっていました。地場産業を振興する上で大事なことは、やる気のあるところを見せ、何をするべきかを考えていくことだと思います。また、このような時代の厳しい風の中、これは役人に関しても同じことで、意識を変えていく必要があると思っています。私も自分の生き方として、役人である前に一人の人間でありたいという信念を持っております。幸いなことに、私の場合はこうして民間の風に当たる機会があり、新しい刺激を受けることが私の財産になっています。 今、政府も改革、改革と盛んに言っておりますが、どうも改革倒れになっているようです。リンカーンの精神でやっていただけばよいのですが、現実は政府による政府のための政府の改革になっているのではないでしょうか。実際、産業振興に熱心に取り組んでいるのは役人ではなく、民間の企業だと私は思います。オリベの精神ではありませんが、規定概念を取り除き、新たなものに挑戦していくことが大切だと考えます。 ニューヨークへは先月21日から今月の4日までのちょうど2週間行ってまいりました。オリベプロジェクトの内容としましては、20日からはメトロポリタン美術館においてオリベニューヨーク展を開催、そして28日からの6日間はグランドセントラルターミナルビルにおいてクラフト・観光展を開催したしました。 私はゆっくりと見ることはできませんでしたが、一つ感心したことは、メトロポリタン美術館は100年という歴史のある建造物であり、クラフト・観光展を行ったグランドセントラルターミナルビルも90周年も迎えるということでした。日本において100年の歴史のある建築物というと江戸城の石垣くらいしかないのではないでしょうか。そのような歴史的建造物が残っていることは素晴らしいと思いました。 そして日本の文化をそのメトロポリタン美術館でご披露し、日本の文化を知ってもらおうと考えたのです。更にはそのような風を起こし、実践的に売ることができるようなPRをしていこうと思いました。せっかく2005年に愛知県で万博も開催されるわけですし、その折に岐阜へも寄っていただくことができるのではないかとも考えました。 開催にあたっては、ビジットジャパンキャンペーン推進委員会との連携やジェトロの協力も得ることができました。ジェトロもこれからは輸入ばかりに頼るのではなく、地域と地域のいいものを交換するという試みをしていこうという点でオリベの精神と共通するものがありました。また、ビジットジャパンにおいても、入国する観光客と出て行く観光客との割合が1対3〜4という実情をなんとかしようということで、我々と一緒になってやってくださいました。 今回のオリベNY展については、NYタイムズでも大きく取り上げていただけ、本来ならば国策でやるべきものを岐阜県単独で行ったというところを大変高く評価していただいておりました。 オリベNY展については3年プロジェクトとして構想をねってきましたが、文化振興ばかりではなく、産業振興にも役立てたいということで急きょクラフト・観光展も行うこととなりました。産業振興については10年ほど前から物作りであれやこれやと考えながらやってきましたが、何が一番間違っていたのかということに気がつきました。 肝心なそれをさばく市場がなかったことだということです。アメリカにいって思いましたが、何もひねったものを作る必要はないのです。日本の伝統文化を知ってもらい、買ってもらうという仕組みを作ることはできないだろうか。 今回、アメリカへすり鉢等を持っていきましたが、感心を集め我々とは少し違った感覚で見ているようでした。アメリカでは畳をベッドに下にひいて使用したり、着物の腰巻を部屋の飾りにしたりと既成概念にとらわれない利用方法がありました。美濃和紙などは素材そのものが大変喜ばれているようですし、我々はもっとプレゼンテーションをうまく行い、市場展開をしていかなくてはいけないと思いました。 もう一つ驚いたことは、アメリカ人の日本文化に対する感心の高さでした。オリベとは何かという話から、隠れキリシタンの話にまで議論が及びましたが、結局彼らの言いたかったことは、既成概念にとらされず、個性を尊重する、個を認め合うことが大切だということでした。まさに自由をおうかし、新しいものに挑戦するという精神はさすが歴史あるアメリカだと思いました。メトロポリタン美術館で何が人を引きつけているかと考えたときに、やはりそれは古い文明を大事にするという精神だと思いました。 今日のしているネクタイもそうですが、これはアメリカのグランドゼロにあるブランドショップで買ってきたものです。そこにはありとあらゆるものがあり、高級ブランド品から中国製の安いものまでありました。中国の製品がこんなところまで進出していることに驚き、同じ土壌では日本はなかなか競争できないだろうと思いました。日本はその隙間を狙っていくしかないのです。これはもの作りに限らず、発想の転換が必要なのです。今まであったものをなぞるのではなく、変えていくことの方がプラスになると思います。 今回のオリベNY展で感じたことは、日本文化を素直に外国へ持っていき、それをしっかりと説明できるだけの勉強をすることが大事だと思いました。要は国際化というのは、外国を見るということではなく自分の国、つまり自分の足元を見ることにあるということを痛感いたしました。また、ある本にも個と全体のバランスや新と旧のバランスが非常に大切なのだということも書いてありました。そういった意味で今回のアメリカ訪問は勉強になりました。 まだまだやりたいことはたくさんありますが、皆さんの意見も聞きながら地に足のついたことをやっていきたいと思っております。 最後に私の自論でございますが、アメリカで非常に残念な光景を目にいたしました。それは高級宝石店のティファニーで何十万もする宝石に集まる日本人の姿を見たことでした。これほどブランドにこだわるのが日本人くらいではないかと情けなくなりました。我々はもっと日本の伝統を小さいうちから教育していく必要があるのではないかと痛感しました。 円高といわれ、国内事情もままならないという今、政府ばかりが悪いのではなく、国民ももと日本のよさを認識し、自分の国のものを使うことが大切になってくると思いました。個から改革しないと経済の活性化は望めないと感じました。 また、日本はもの作り、思いやり、気配りに関しては日本は素晴らしいものがあると思いました。日本人はまじめに最後まで仕事をやりますし、信用もあるのです。日本人はこういうところに誇りをもっていいと思うのです。 2週間ほどの滞在でしたが、百聞は一見にしかずでいろんな勉強をさせていただきました。
会長・篠田伸実 会長エレクト・副会長・杉江正光 幹事 高橋陽一 会報委員長・生信良雄