WEEKLY REPORT
第609号  No.13  2005年10月24日
超我の奉仕

前例会の記録
本日のプログラム
次例会の予定
○10月17日(月) 第608回
○行事:職場例会
(担当 職業奉仕)
○10月24日(月) 第609回
○ソング:我等の生業
○行事:フォーラム
(担当 会員増強・分類)
○11月7日(月) 第610回
○ソング:君が代・奉仕の理想
○行事:地区大会報告
(担当 会長・幹事)

会長挨拶 早瀬正英会長
 本当でしたら2階の食堂でお年寄りの食事を味わっていただけると良かったのですが、なかなかそれはできませんでして残念です。今日の予定は後ほど、学習療法について、作業療法士の横山さんが説明させていただきます。当施設のリハビリは理学療法士が3人、作業療法士2人、学習療法については学習療法指導士というのを多数の職員が取りました。2階で1時からやります。説明の後、希望の方は現場をご案内します。

来客紹介 出席報告
本日のホームクラブ 先々週の補正出席率
  18/27   66.66%   21/27  77.77%

委員会報告
◆ロータリー情報委員会 「IGMの報告」
 先週10月13日IGMを開催させていただきました。森さん宅の日本庭園のお披露目のパーティーの日でございまして、出席義務の私と早瀬会長、平松さん、生信さん、竹島さんで出席しました。懇親会を兼ね、2時間ほど話し合いました。

職場例会「在宅介護支援センター喜の里」 (担当:職業奉仕委員会)
◆「学習療法について」 
 作業療法士 横山伯子様

 今日は学習療法についてお話と、実際どのようなことをするか、お持ちいたしましたので、皆様にも是非やっていただきたいのでよろしくお願いいたします。
 お手元の資料をご覧下さい。岐阜県で平成16年度より、学習療法モデル事業として、岐阜県が支援をしておりまして、研究結果が良好であったことを受けまして、今年度のブレーン(脳)トレーニングのモデル事業として当施設が選ばれました。今年6月より開始しております。学習療法というのは、資料にもございますように東北大学の川島教授と公文が共同研究をしてみえまして、「音読、読み書き、計算を中心とする教材を用いた学習を学習者とスタッフがコミュニケーションを取りながら行なうことにより、学習者の認知機能、コミュニケーション機能、身辺自立機能など前頭前野機能の維持・改善をはかるものである」と定義されています。
 最初はこの研究は、皆さんもよくご存知かと思いますが、子どもの学習で公文式というのがございますが、子どもたちの脳をより健全に発達させるための教育のあり方を考えたいというところが原点で、いろいろ研究していった結果、音読や単純計算で、前頭前野が活性化してその機能を高めることができるのではないかという仮説が生まれて、痴呆性の高齢者を対象としたモデル研究を開始して、これら簡単な音読、計算、読み書きをやることで、改善できることが科学的に明らかになってきたことから、老人分野のほうでも発展してきています。先ほども言いましたが、学習療法は、基本的には、認知証、簡単に言えば「呆け」といわれている「加齢に伴って脳の働きが衰えて、それが重度になった状態」というもので、「老人性痴呆症」、今は「認知症」と呼ばれている方々の脳機能の低下が少しでも予防できるように、良い状態の方には状態を維持、向上できるようにということが目的となっております。認知症の軽症から重症までありますけれども、認知症の方と接する時に問題となるのが、コミュニケーションの問題です。こちらの言っていることが理解してもらえないし、相手の方からも意図できる反応が得られないということが多くあります。感情のコントロールが利かずに、すぐ怒り出してしまったり、ちょっと暴力的なってしまったりという方もみえますし、あとは服を自分で着られない、食事も自分で食べられない、といったことがでてきます。こういった機能をつかさどるところが大脳にある前頭前野という領域なんですけれども、前頭前野とはどんな働きをしているんだろうというのが、資料の4ページに載っています。脳は大まかに前頭葉、頂頭葉、側頭葉、後頭葉と前、横、後、てっぺんと4つの分類に分けられています。前頭前野というのはちょうど「おでこ」の辺りです。考える、行動を抑制する、人とコミュニケーションを取る、意思決定をする、など8つのものが上げられていますけれど、つまり人間らしくいられるように、つかさどる機能を前頭前野は果たしていると言われています。この前頭前野に働きかけるのが、学習療法ということで、その考え方と効果としまして、「読み、書き、計算を中心とする教材を用いた学習であること。学習者(高齢者)とスタッフと十分コミュニケーションを取りながら行なう学習であること」というのがプログラムになっています。最初の指標として、脳機能を検査するMMSE(mini mental state examination)という検査と、FABという前頭葉機能の検査、公文で開発された読み書きの学習診断、計算の学習診断、この4つの検査を最初にさせていただきまして、その人がどの地点からスタートしたらよいかをその人、1人1人決めます。第一の指標としてMMSE、脳機能の検査で、最初と、半年後と比べると、学習をされた方は検査結果が維持または向上している。学習されなかった方は、そのままか、または下がっているという結果がでています。FABという前頭葉機能検査においても、学習している方は最初の時点と半年後と比べると、点数が上がったという結果が16年度の研究で得られています。その学習というものは毎日、教材を今からお配りしますが、計算で1人に対して、1日5枚、それを10分以内でできれば良しとする。読み書きの方法も同様で1人に対して、1日5枚、これも10分以内でできれば大丈夫でしょうということになっています。この計算内容も1人1人に合わせてとありましたように、易しい問題は丸の数を数えるところから、一番難しいところで掛け算の筆算というところまで、A〜Cの分類の各1〜6段階まであります。読み書きも同様にして、その人のスタート地点が決められ、ゴール地点が決められまして、そこで1冊終わったら、次のランク、次のランクへと上がっていって最後、到達点、最後の地点までいったら、また最初に戻るという繰り返しの学習になります。
 今この施設でも、始めて4ヶ月経ちますが、変化としまして、今まで人と話すのが苦手だった方がちょっとずつスタッフとの会話ができるようになってきて、さらに自分から他の人にあいさつするという良好な反応がみられたり、せっかちな方で時間が待てない、自分の決められた時間の30分以上前から、まだかまだかとせっかちに言われる方でも、最近になりますと、5分くらい前までは必ず待っていられるようになるなどコントロールができるようになってこられた方もあります。さらにずっと寝たきりの今まで自分から起きようとする姿勢もみられなかった方が、声掛けをすると自分から起きてみようと身を起こし始めたりとか、そういった改善点がいろいろみられております。では今から実際にどんなことをやっているか、1部ずつお配りします。計算のほうはB-4、読み書きのほうはB-2です。B-4は中くらいのランクです。計算は、声に出しながらやっていきます。声を出すというところがこの学習療法です。難しすぎて考え込むような問題は逆効果ということで、楽しく全部できて、必ず100点を付けてほめて、ほめて、がんばりましたと言ってフィードバックしていきます。読み書きのほうは、詩や童謡唱歌などが問題になっています。読み書きも表の問題を声に出して読み、裏の問題を解き、最後に表をまた声に出して読みます。他に数字板という課題もあります。手先を使うことで効果が上がります。読み書き、計算、数字板で1日約30分。コミュニケーションを十分に取ることが重要ですので、スタッフ1名で学習者は多くて2人までの対応をします。

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